第19回-根本塾 「いまさら?いや、いまこそ! EOB造影ダイナミック」 ~注入法と撮影法のベストプラクティス~
Gd-EOB-DTPA(プリモビスト)を用いた肝ダイナミックMRIでは、少量投与ゆえに動脈相のコントラスト確保が難しく、安定した撮像が課題となる。本講演では、まずEOBの薬剤特性とファーストパスで生じるシグナル変化を整理し、動脈相のブレや描出不良、タイミングミスが起こるメカニズムを解説する。続いて、当施設で実施している①造影剤と生食の希釈投与、②流量を切り替える二段階注入といったインジェクターを活用した注入方法を紹介する。後半では、ダイナミック撮像シーケンスであるSmartSpeed AI を用いた高時分解能3D撮像(eTHRIVE)の撮影条件最適化に触れ、アーチファクトを抑えつつ動脈相を安定させるための「注入 × 撮像」のセット設計を示す。若手のビギナーから経験者まで、明日から使える“失敗しないEOBダイナミック”のコツを共有したい。
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登壇者
熊本中央病院
放射線科
野田 誠一郎 先生