柏葉脳神経外科病院
濱口 直子 先生
脳血管CT angiography(CTA)は、脳血管障害や脳腫瘍の診断や術前シミュレーションとして広く行われています。
CTAに限らずCTの撮像条件は空間分解能、ノイズ、コントラストのバランスを考慮することが非常に重要です。
特に、脳血管CTAの造影では、体幹部に比べて造影剤が動脈から静脈へ移行する時間が早い特徴があることから、動静脈の撮像タイミングについて議論されることが多く,撮像・造影条件の設定に苦労している施設も多いと思います。現状では、動脈と静脈の2相で撮像を行う方法、または動静脈を1相で撮像し画像処理で動静脈分離を行う方法のいずれかが選択されていると思いますが、我々の施設では穿通枝や末梢まで十分に描出された画像取得を目指すため、動静脈1相での撮像を行い、画像処理で分離を行う方法を選択しています。
適正な撮像プロトコル設定と最適な元画像がなければ、完成度の高い画像を提出することは難しく、また動脈と静脈がそれぞれ分離し、尚且つ微細血管が観察できるような画像を得るには、高度な画像処理のテクニックが求められます。
私からは、これまで臨床で行ってきた脳血管CTAのプロトコル構築の経験を紹介しながら、脳血管CTAの撮像方法について解説していきたいと思います。
皆様の施設での撮像方法と比較してみたり、プロトコルを見直す際の参考などに活用していただけると嬉しいです。