第12回-根本塾「台形クロス注入法の臨床応用」

■ 台形クロス注入を用いた下肢動脈CTA
 滋賀県立総合病院 放射線部 北野 哲哉 先生

 2022年改訂版末梢動脈疾患ガイドラインにおいて下肢閉塞性動脈疾患や急性下肢虚血に対してCT検査を行うことが推奨されている。 しかし、下肢動脈のCT検査は撮影範囲が長く、大腿や下腿の血流速度の違いからそれぞれの部位の造影タイミングが異なり、患者ごとに血流速度が異なるため、一度の撮影で良好な造影画像が得られない場合がある。3D-CTAの血管形状再現性については高い造影効果が必要であり、 動脈の高い造影効果を得るには造影剤の投与方法が重要である。そこで、当院は下肢動脈CTAに台形クロス注入を用いている。また、加えて低管電圧撮影やTI(test injection)法、vHP(バリアブルヘリカルピッチ)を用いて撮影を行っている。今回は、一段注入との違いについて説明し、当院の台形クロス注入を用いた下肢動脈CTAについて紹介する。

■ 台形クロス注入法を用いた大動脈CTA ―当院における導入の経緯と撮影プロトコル紹介―
 和歌山県立医科大学附属病院 中央放射線部 西山 卓志 先生

 大動脈CTAは、大動脈瘤や大動脈解離など大動脈疾患のスクリーニングや術前のプランニング、また、術後のフォローアップ検査として一般的に実施されている検査であるが、Dual-energy CTなどの普及によって造影剤の注入プロトコルを見直す必要が出てきた。そこで今回は、当院の大動脈CTAにおいて台形クロス注入法を適応するに至った経緯や、従来法との比較、現在の注入・撮影プロトコルなどを紹介し、その有用性について伝えたい。

  • 登壇者

    滋賀県立総合病院

    放射線部

    北野哲哉先生

  • 登壇者

    和歌山県立医科大学附属病院

    中央放射線部

    西山卓志先生

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