【ご挨拶】手術支援画像について
柏葉脳神経外科病院 平野透 先生
脳神経外科領域手術支援は、他の領域と同じように病変部のみならず、病変周辺の詳細な構造情報が必要で、骨構造や、ヨード造影剤を急速注入して微細血管が描出された3D-CT Angiography(3D-CTA)が有用です。
脳神経領域では、脳動脈瘤や脳動静脈奇形などの脳血管障害、髄膜腫や聴神経腫瘍などの腫瘍性病変、てんかんや顔面痙攣や三叉神経痛などに対する機能外科手術など、様々です。症例や病態に適切な画像作成が求められています。
また造影効果の乏しい腫瘍や脳神経なども、CT単独では描出困難ですが、手術支援画像では重要です。
CT,MRIを用いたFusion Image(CT/MRI Fusion Image)を行うことで、病変部周辺の詳細な構造確認が可能となってきました。 CT/MRI Fusion Image は、前職の札幌医科大学附属病院では2007年から使用し、現職の柏葉脳神経外科病院でも更なる病変の描出向上を目指し応用しています。
しかし、CT/MRI Fusion Imageを含め、開頭シミュレーション画像などは、全国的に普及している状況ではないと考えております。今回、根本杏林堂様のポータルサイトを利用させて頂き、柏葉脳神経外科病院で作成している手術支援画像を連載させて頂くことになりました。
今後は脳腫瘍や顔面痙攣や三叉神経痛などに対する機能外科手術の支援画像作成についても紹介する予定です。
日常で三次元画像を作成されている、皆様に少しでも診療のお役に立てれば幸いです。